群馬県の人気観光地・榛名湖に半分沈んだ車(ボルボ)があるとSNS上で話題になっています。

しかし調べてみると、これは決して放置ではありませんでした。
事故からまだ時間が経っておらず、複数の理由から簡単には引き上げられない状況になっていたのです。
榛名湖に沈んだボルボに何があったのか


事件が起きたのは2025年11月3日頃。
当日は雨で視界も悪く、運転していた所有者が駐車場でアクセルとブレーキを踏み間違えたと見られています。
そのまま車は湖へ直進。
爆音とともに車体が沈み始め、近くにいた釣り客や観光客がすぐに駆け寄り、運転手を救助しました。
所有者は無事で、救出後に警察・保険会社への手続きを済ませているとのこと。
現在は正式な回収準備が進んでいるようです。
榛名湖に沈んだボルボはなぜ放置されているのか
「なんでJAFが引き上げないの?」という声も多いのですが、JAFの対応範囲外のためそれができないようです。
JAFが対応できるのは「道路上のトラブル」だけ
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パンク
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バッテリー上がり
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レッカー移動
など、道路での故障・事故に限られます。
湖に沈んだ車両は水中事故・特殊重機案件となり、JAFではなく、専門業者を呼ばなければいけません。
引き上げ費用は数百万円!?
榛名湖は水深があり、湖底の状態も複雑と言われています。
車両を引き上げるには次のような装備が必要になります。
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大型クレーン
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水中作業チーム
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ワイヤー固定のダイバー
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重機運搬のための通行許可
このレベルになると、費用は50万円〜数百万円に跳ね上がります。
また、
「保険はどこまで適用されるのか」
「どの業者を使うのか」
という調整も必要で、これだけでも数日〜数週間かかることがあります。
行政が勝手に引き上げられない理由
このボルボは個人の所有物(私有財産)となります。
行政や警察が勝手に動かすことはできません。
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所有者の同意
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申請書類提出
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見積もり・業者決定
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保険会社の承認
これらが揃わないと、作業は一切進められません。
榛名湖の環境保全ルールも大きな要因
榛名湖は観光地であり自然保護地域でもあります。
そのため、引き上げ作業には
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生態系への影響チェック
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作業許可
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公告期間
などが必要です。
湖底に重機を入れるだけでも環境負荷があるため、慎重な手続きが求められるのです。
まとめ
SNSでは派手な見た目から「放置」と誤解されていますが、実際には…
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事故からまだ2週間ほど
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専門業者の手配が必要
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高額費用の調整中
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自然保護のため許可が必要
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所有者の同意も必要
と、複数の要因で時間がかかっているだけ。
湖に沈んだ車両は、街中のレッカーとは次元が違う作業になります。
今後、正式な手続きが整い次第、順次引き上げ作業が行われる見込みです。







